えげれす通信、再び

20年ぶりに復活しました

【新】えげれす通信2023_vol02:えげれす到着編 (13/02/2023)

着く早々、衝撃が襲う。


前回のえげれす行きは、ダーラムでちゃんちゃんこを着た後、スコットランドを周り、最後はアバディーンから出国した。なので、若干の「ババ臭」のする、スコットランド紙幣が残ってしまった(ちなみにスコットランド紙幣もイングランドで使えるが、受け取った人は、微妙な「ババ感」を感じる)。イングランド紙幣と合わせて3枚、合計£50が残ったものの、必ずまたえげれすに来ることは確実なので、両替もせずに、来るべきその日のためにとっておいた。


本日2/13、とにかく長かった13時間のフライトを経て、ロンドンヒースロー空港第二ターミナルに到着。良く考えたら、例のエアバスA380(総二階建て)だった!駐機しているのは成田で見たことあるけど、サクッと乗ってしまったぜ。そういや、あのコンコルドも、サクッと飛んでいるのを見たのもヒースローだった。やはりここは格が違うね。

 

 

なんだか近未来ちっくな、シンガポールちっくな感じになっているヒースローにたじろぎつつ、しかし、どんだけ近未来になろうとも、すぐ目に入るところにある店は、安定の「WHSmith」と「Boots」な訳で、見た目には騙されない。そして僕は、空港ならと思い、早めにババを切りに行った。


(Bootsでサンドイッチを買うのにスコットランド紙幣を出す)
店員「う…」
僕「何か問題?」
店員「(隣の店員に)これっていけたっけ?」
隣の店員「これって何が?」
店員「いや、スコットランドのよ」
僕「スコットランドもいけますよね?」
隣の店員「いや、そこじゃなくて」
店員「ん?」
僕「ん?」
隣の店員「紙は使えないわよ」


なんたることか。もしかして既にチャールズ仕様になってるかもな、くらいは考えていた。しかし、エリザベスはエリザベスでも、今のポンドさんは、紙じゃなく、プラスチック製なんだって!そして、いや、そこまでは良いとしても、僅か15年前の紙のヤツは、使えないんだって!


おいおい。アンタら、「古いものを大切にする」人たちじゃなかったっけ?「まだ使えるから」って、白黒テレビを見続ける人たちじゃなかったっけ?日本だって、板垣100円札だって未だに使えるぞ?


呆然とした僕に、優しいBoots店員の二人は、


「銀行に行った方が良いよ」
「ちょっと古すぎたわね」


言葉をかけてくれた。よし、この問題は、しばしペンディングだ。


変わってしまったえげれす。そんな思いで少し意気消沈していたワタクシですが、ヒースローからの交通手段も複数できてなんとも便利になってしまったなぁと逆に寂しさを感じたワタクシですが、市内に出るのは、昔も今も、ピカデリーラインの一択、便利な新しい奴らには見向きもせずに、あくまでもピカデリー一択、な訳ですよ。やたら近未来的な空港からピカデリーの駅にやってきて、コーフンしてしまいました。…いや、全く変わってない。これよ、これ。これなんだよ。


ホーム床には「Mind the Gap」。
壁面のポスターを眺めて乗るエスカレーター。
「座席に脚を乗せないでね、いや、乗せるなよ」他の、「やったら罰金やで」noticeの数々。

 

 

次第にコーフンしてきたぞ。


今宵の宿はアールズコート。ここは安宿街で有名だけど、僕は泊まったことはないし、降りたこともない。ただ、駅を降りて目の前を見るや、さらなるコーフンが襲ってきた。


テスコ!(うむ、これだよ)
家の佇まい(全くえげれす)
「£20くれ!」というホームレス(いや、要求高くないか?ホームレス界もインフレなのか?)


今宵の晩飯はテスコ(スーパー)の惣菜メシにすることに決め、チェックインの後に、改めて買い物に行った。まぁノリとしては、大阪に着いて、ライフに行くようなもんかな。


そして今宵の晩飯がコレ。節約必至で辛いところだけど、このラインナップで、酒も含めて£16というのは、我ながらなかなかの買い物だったな。コーニッシュパスティを思いつくところが、我ながらグッジョブである。

 


Newcastle Brown Ale は、やはりマストだし、袋入りのサラダにハニー&マスタードのドレッシングは、住んでた時のド定番だし、本当に美味しくないコールスローは、「やはり…不味い」と確認し発言せねばならないブツだし(この類には、他に、サンドイッチやホットドッグなどがある)。


ただ、ヒースローからここまでで、僕が一番、「えげれすはやはり良いなあ」としみじみ思ったのは、実は違うんだな。


ロンドン地下鉄は車内が狭く、人と人はかなり接近することになる。しかし、ありがちな「コイツ誰やねん」的な視線を浴びせられることが皆無である。どんなに接近しても、絶対、と言って良いほど、目を合わせることも合わせられることも、ない。この感じ、同じ日本人である日本国内でもないし、例えばイタリアとかの海外だと、ない、ということはあり得ない。それくらい、他者に対して、ある種の不躾な態度というのは、どこの世界にもあると思う。


…しかし、この国には、無いんだな。少なくとも「無いようにしなければならぬ」という価値観は行き渡っている。コレがどれほど心地よいか。


同時に、ここが重要なところだが、だからといって「不親切」な訳でも無いし、「無関心」な訳でも無い。このバランスが全く素晴らしい。困っていればとことん付き合ってくれる。先程のBoots さんたちのように。そして、これは人間の基本だと思うけど、挨拶をきちんとする。先程のテスコのレジ打ちのインド系オッチャンも、強面で、通常なら愛想無しか!と思うところだけど、きちんと最初は「こんにちは」、終わったら「ありがとう」と笑顔で言う。このアタリマエ、できるようでできてないし、やってるようでやってないよね。えげれすでは、このアタリマエが、アタリマエなのです。


いやあ。It’s very British!
明日はダーラムへ。