えげれす通信、再び

20年ぶりに復活しました

【新】えげれす通信2024_vol.12:ううむ、マレーシア・・・編 (22-23/02/2024)

本日2/22のフライトは、ヒースロー10:25発、宿は6時に出ればよい。5時起きで大丈夫か。しかし、緊張して眠れず、1:30に起きてしまうw

 

結局5:30に宿を出る。チェックアウトしようとレセプションに行くと、坊主のオヤジが座っている。のっけから「なんでもう一泊しないの?」と真顔で言ってくる。なんだなんだ、と思ったら、次の瞬間、いたずらっぽく笑う。ジョークかよ。

 

ブラジル出身で、日本にも行ったことがあるらしく、マシンガントークを繰り出してくる。トウキョウ!オオサカ!コウベギュウ!・・・朝5時からテンション高いな、神戸だけ「牛」付きで覚えているのか。トークが終わらないので、切り上げて、出発する。雨の心配があったが、止んでいるので、Finsbury Park駅まで10分ほど歩き、Piccadilly線でヒースローへ。ターミナル4へは、一つ手前のHatton Cross駅で乗り換える。

 

マレーシア航空のチェックインカウンターは、三時間以上前の7時には既に、開いていた。早すぎるのか、並んでいる人はいない。27kgのトランクにもエクセスチャージを取られることなく(制限は25kg)、あっさり完了する。

 

ヒースローのターミナル4は、非制限エリアには、さっぱり店がない。時間もつぶせないので、かなり早めだけど、さくっと制限エリアへ移動する。免税店をうろうろして、トランクに貼るためのステッカーを買う。パブで、最後のエールを飲む。

 

ヒースローT4のパブ

 

機内のシートマップは、またしても、現実のものとは異なっていた!シートマップでは、前に座席がなく、足を伸ばせると思っていた通路側だったが、実際には、「前に座席がない」のは窓側だった。まあ、いいか。

 

メシは旨かった。ビーフのカレー的なものにマッシュポテト。成田で積み込んだメシよりも、クアラルンプールで積み込んだメシよりも、倫敦で積み込んだメシが旨いって、どういうことよ。何かが、間違ってないか。

 

こいつは旨かった

 

来るときにも観た映画「Love Actually」を、また観る。ダメ男を演じたら右に出る者はいないヒューグラント、真面目で不器用な男を演じたら絶品のコリンファース、という、えげれす映画俳優陣だけでなく、当時、歌を出してヒットしていたマーティンマッカーチョンとか、僕が住んでいた当時の、テレビやラジオ番組に出ていた顔たちが、結構登場してくるので、懐かしい。倫敦の風景も、余すところなく映される。

 

続いて、「The Vow(邦題:君への誓い)」を見る。wikiによれば、

 

実話をもとに、交通事故で夫の存在を忘れてしまった妻と、彼女の愛を取り戻そうとする夫の姿を描く。妻のペイジ(レイチェル・マクアダムス)と夫のレオ(チャニング・テイタム)は、幸せな結婚生活を送っていた。ある冬の夜、二人は突然の追突事故に巻き込まれてしまう。ペイジはフロントガラスを突き破って前に押し出され病院に運ばれた。病室のベッドで目覚めたペイジは、外傷性脳損傷で夫との楽しい思い出を全て忘れてしまっていた。レオは、自分がペイジの夫であることを証明するために、全力で妻の記憶を取り戻そうとする。ある時、ペイジは久しぶりにロースクールの仲間たちと会う。そこで、かつてのフィアンセ、ジェレミースコット・スピードマン)と再会する。ペイジは、シカゴ美術大学に行くためにロースクールをやめ、ジェレミーとの婚約を一方的に破棄していた。しかし、ペイジはその記憶を失っていたため、自ら絶縁したはずのジェレミーの会社へと足を運ばせていた。

 

という内容である。記憶喪失で失われた期間に発生した「感情」は、その後、どうなるのか?仮に記憶を取り戻したら、その「感情」は蘇るのか?そして、その時の「感情」と、事故後の生活で生まれた「感情」とが対立するものである場合、いったいどちらが「残る」のか?この主題は、井上靖の「崖」という小説が扱っている。実に丁寧に描かれていて、僕は何度も読んでいる。日本とアメリカ、小説と映画、という違いはあって、腑に落ちない箇所は多かったけど、総体的に良い映画だった。

 

三本目は、「Bullet Train(邦題:ブレットトレイン)」を見る。「弾丸列車」というタイトルから、「新幹線大爆破」のような内容を想像したんだけど、実際には、日本を舞台にした、殺し屋たちの、コメディタッチの話だった。新幹線が舞台だが、列車名は「ゆかり1号」。静岡とか浜松とか京都とかに停車するんだけど、なぜか夜行の新幹線である。真田広之が出演している。「ガイコクジンから見た、おかしな国、ニッポン」的な描写がたくさん出てきて、興醒めする。新幹線は右側通行になっており(実際は左側通行)、細かいところにもツッコミを入れてしまう。「これじゃない感」が多すぎる。日本人にとっては、完全に違和感だらけの、全体として「不可思議な世界」であり、現実とフィクションが妙に入り混じっている。どうにもおかしいなと思っていたら、なんと、原作が、伊坂幸太郎だった。これを見て、一気に納得した。なるほどね。伊坂幸太郎ならば、こういう世界観はアリだろうし、だとすれば逆に、映画はその世界観を忠実に再現できている、ということになるんだろう。殺し屋の一人を演じる俳優はえげれす人らしく、劇中の台詞で、彼のしゃべりが「英国訛りだな」と言われるシーンがある。こういう「小技」は、大変よろしい。

 

メシを二回喰って、映画を三本見て、少し眠ったら、ようやく到着した。クアラルンプール、朝の6時過ぎ。ホテルのチェックインは14時だ。どうするの、これ。

 

クアラルンプール空港には、USBチャージの設備があまり見当たらない。制限エリアにはあった。荷物のピックアップもあるし、出た先にもあるだろうと思ったら、無かった。機内の、座席にあるUSBポートは壊れていたので、とりあえず、充電しなければならない。仕方がないので、COSTAに入って高いコーヒーを貰い、カウンター席で充電する。ネットを見たり、ニュースを読んだりして、時間をつぶす。

 

時間は果てしなくあるので、スーツケースを一旦開け、中から変圧器を取り出して、COSTAカウンターにすべてセッティングする。パソコンと携帯を繋げることができたし、空港WIFIは使えるので、腰を落ち着けられる。

 

「空港でひまつぶし」という検索ワードが候補として挙がってきたので、見てみる。

 

三井アウトレットパーク」、・・・無いな。
「タイ式マッサージ」・・・あるわけないやん。
「スーパーマーケット」・・・ん?

 

あるな。

 

どうやら、ターミナル2(KLIA2)に行くと、スーパーマーケットとフードコートがあるらしい。ファミマもあって、ファミマの飲食席には、USBポートとコンセントがあるらしい。うーん、さすがだ、日本のコンビニ。COSTAには、結局3時間くらいいたけれど、たっかいたっかいコーヒーは旨かったけれど、ここで昼飯まで喰ってしまうと、マレーシア物価的にはエゲツナイ支払いになってしまう(軽食で¥1000超え)。えげれす物価に比較すれば、ここは、破格の安さではある。ただし、とにかく食費に悩み続けてきたワタクシとしては、やはりここでも、節約をしたい。そんなわけで、KLIA2に移動してみることにした。

 

イートインスペースはありがたかった

 

KLIA→KLIA2は、①無料のシャトルバス(ただし乗り継ぎ客のみ)、②有料の鉄道、という二択らしい。しかし①で、搭乗券のチェックなどはないらしいので、ダメモトで突入してみたら、呆気なく突破できた。10分ほどで、KLIA2に到着。

 

関空のT2、成田のT3、を想像していたら、全然違うじゃないの。めちゃめちゃ広いよ、これ。店も、果てしなく続いているぞ。散策するだけで、結構、時間がつぶれるっぽい。ユニクロもあれば、トイザらスもある。ダンキンドーナツもある。

 

フードコートには、各国料理、各ジャンル、などなどが、それぞれのブースを形成している。すべてに写真メニューと番号があるので、言葉がわからなくても不安なく頼めるようになっている。シンガポールの時と同じく、ダックラーメンが喰いたい。あるいは、何かしらの、スープヌードルが喰いたい。

 

「ペナン」が良いじゃないの

 

ペナン、という文字に惹かれ、メニューを見てみると、スープヌードルがある。海老が載っているぞ?この時点で、えげれすでは決して味わえない、アジアの料理の、奥深さ、豊穣さ、を感じる。絶対、旨いに決まってるやん!

 

ウマー

 

COSTAでしょーもないパンを一つ喰うのとほぼ同じ価格で、海老が入ったスープヌードルが喰える。ヒャッハー、こっち来てよかった!・・・しかし、辛いな。

 

スーパーは、シンガポールの感じを彷彿とさせるが、予測の範疇に留まっていた。あまり、新たな発見はないな。まあ、こんなもんでしょう。晩飯は、シンガポールの時と同じく、近所のスーパーに依存することになりそうだし、予習は果たしたということで、撤収。12:30くらいになったので、そろそろ空港を出ることにする。

 

スーパー

 

前回は、空港と市内とを、急いで往復する必要があったので、ノンストップで高額の、「KLIAエクスプレス」という特急を使った。しかし今回は、時間に余裕がある。同じ路線を、途中駅に停まりながら進む「KLIAトランジット」に乗ることにする。京成でいうところの、「スカイライナー」と「アクセス特急」みたいな感じ。そして、途中停車駅で市内交通のMRTに乗り換えることで、所要時間はかかるものの、破格の安さになるらしい。

 

乗り換え

 

郊外はほぼ高架

 

車内には、中国系と思しき、オカンと娘二人がいた。この娘たちが、傍若無人、想像を絶する喧しさで、車内を走り回る。動き回る。喚き回る。しかるにオカンは、我関せず、全く、注意をしない。公共空間に馴致させ、社会における正統なる「振る舞い」をこの時期に叩き込まないと、野生動物のまま育ってしまうぜ?社会性なんて全く纏わずに、育ってしまうぜ?・・・まあ、だからこその、「彼ら」なんだろうけれども。えげれすにて、要所要所で、社会性、公共性、というものを、ビシビシ感じていた直後だけに、この、わかりやす過ぎる対照は、衝撃ですらあった。

 

モノレールに乗り換え、ホテルの最寄り駅で下車する。モノレールは高架線であり、駅はすべて、空中にある。必ず段差があるのに、エレベーターなぞは、一切、ない。階段、階段、階段である。・・・オマエら、重たい荷物を持った旅行者というものを、想定してないんか?

 

親分のえげれすチューブは、できたのが恐ろしく古いから、構造上の問題で、バリアフリー化には難しいところがあるのは、わかる。それでも涙ぐましい努力で、少しずつ、少しずつ、Liftの継ぎ接ぎ継ぎ接ぎをしながら、まるでサクラダファミリアのようないじらしさで、バリアフリー化を進めているのだよ。細切れLiftの「乗り継ぎ」自体が一種の「謎解き」の様相を呈しているのだが、それでも、その謎を解読しさえすれば、無事に出口へ出られるのだよ。

 

しかるに、子分はなんやねん?きみら、開通させたのは最近やろ?バリアフリーって、知らんのか?「お菓子の名前」と違うで?

 

急速に、不機嫌になっていく。毎日毎日、ゴキゲンだったえげれすの日々からの落ち込みが甚だしい。相変わらず、「案内」「表示」が足りていない。改札を出た後、道が三つある。一つに行ってみると、行き止まりである。もう一つに行ってみると、先に、おじさんが座っており、ダメダメ、とジェスチャーをしてくる。駅周辺地図もないし、通りの名前もわからない。ムカつきマックスになってくる。

 

前回は、トランクの半分は空であり、重量も、恐らくは、15kgくらいのものだった。しかるに今回は、27kgである。

 

ダーラムで散々苦しめられた、我がAceトランクの「伸縮持ち手」攻撃に加えて、マレーシアの街路は、さらなる技を繰り出してくる。

 

子分であるマレーシアは、道路や交通ルールなども、親分のそれを踏襲している。交差点では、「左折レーン」「直進レーン」「右折レーン」それぞれが車線的に分かれている。しかし、それだけではなくて、その間に「島」があることがある。つまり、段差があるのだ。そして子分においては、その「島」の段差が、親分のそれとは比べられないほどのギャップを造り出している。同じく子分のフィジーでも同じだが、半端ないスコールが発生する国では、「水」を流すための「水路」が必要となる。親分の「雨水」は可愛らしいものだが、フィジーやマレーシアの「雨水」は「ちょっとした洪水レベル」になる。その濁流をつつがなく流すためには、「島」の段差は、「段丘」クラスの、急峻なものにならざるを得ない。また、雨水溝への捌け口の「アミアミ」も、えげれすの可愛らしいものではなく、子供の靴ならそのまま墜ちるんじゃないかというほどの、粗い造りにのものになっている。

 

「島」障害

 

「段丘」障害

 

「アミアミ」障害

 

「島」障害、「段丘」障害、「アミアミ」障害を、我がAceトランクは、クリアしていかねばならぬ。そもそもムカついてきているところに、この、「多重障害の重馬場攻撃」が加わることで、精神的にも身体的にも、僕はますます疲弊していく。暑いし、眠いし、腹立つし、もはや「観光」とかどうでも良くなる。早くホテルで休みたい。

 

漸く、ホテルに到着。せっかく宿泊費がとことん安いマレーシアなので、今回は、なかなかのグレードのホテルを取った。プールがある(笑)。しかし、今は、ホテル内の偵察をする気力もない。プール近くのレストランで、明日の朝食を取ることになっているので、偵察は明日。一旦、寝ることにする。

 

豪華だぜ

 

夕食も、「何かを精力的に探しに行く」という気力はなくなっている。想定通り、近所のスーパーで惣菜を買って、済ませるか。

 

しかーし、シンガポールの時と異なるスーパー事情があった。デリカテッセン系が全くないのだ。シンガポールの時は、それで助かった。しかし、僕が行った、宿の近所のスーパーには、惣菜系がまったくない。仕方ないので、サラダとドラゴンフルーツを買う。

 

隣のビルの二階に、何やらありそうだ。上がってみると、ちょっとしたモールになっている。しかし、人気がなく、閉店間際っぽい。しかし、その中で、中華系の弁当屋的なものがある。売れ残りっぽいが、いくつかラインナップがある。これはアリでしょう。ダック弁当と豚足の煮込みを買う。

 

アヤシゲな焼き鳥屋の壁面にある、貴重なレコードのジャケ(なんで?)

 

ナオミーナオミーナオミー カムバック トゥー ミー♬

 


 

やはり、こういうのが必須

 

というわけで、ビールと、眞露のココナツジュース割で、今夜を〆ます。