2/25、現地時間7:50、シンガポールチャンギ空港に到着。
ヒースローで、ラスト朝飯(アップルパイと牛乳)を取る。もうね、毎日の買い食いメシには、バリエーションの無さと値段の高さとで、ヒーヒー言わされている訳ですよ。なにせ、選択肢が無い。スーパーに電子レンジでもあれば多少は選択肢も広がるけど、そんな利器は備えていないので、在住者ではなく旅行者には、この「選択肢無し攻撃」が強めにヒットする。
買い食いメシの条件としては、
・まず安い
・冷たくてもなんとか喰える
・味的になんとか喰える
というところ。フルイにかけると、残るのは、
・クロワッサンかアップルパイ(ひとつ¥200くらい)
・サンドイッチ(ひとつ¥300円くらい)
・パスティ(ひとつ¥400円くらい)
もう、この3択が全てである。これで飲み物など買おうものならば、こんな素朴な、もとい、しょーもないセットで、¥600は超えてしまう。
しかし、その中で、「牛乳」は、実に優れものである。安い(¥140くらい)。美味い(えげれす牛乳はとても美味い)。持ち運び可能(蓋が閉まる)。下手な飲料買うなら、絶対に、牛乳なのだ。
なので、ラスト朝飯に牛乳をチョイスして、えげれすを無事に出国しました。機材は再び、総二階建てのエアバスA380。
シンガポール航空のメシは相変わらず美味い。晩飯は、牛肉とキノコの甘辛煮みたいなヤツとごはん。朝飯は、牛肉ヌードル。ごはんがパサパサでも、ヌードルが茹ですぎで歯ごたえ?何それ?!状態でも、パン→サンドイッチ→パスティ、の無限回転地獄からすれば、感動を覚えるレベルである。今回のアテンダントが無愛想で、ちょっとムカついたけど、まずまずのフライトでございました。
空港でしばらくスマホ充電をしつつ、朝飯を売店で買うことにする。すると、
嗚呼、おにぎりだ。
嗚呼、甘くないお茶だ。
さすがアジア。そこら辺にある売店に、おにぎりが売っているよ。ひとつ¥250だから日本よりはもちろん高いし、ごはんも硬いけど、えげれすで¥500したのと比べれば、全く問題ない。「チキン昆布」「テリヤキサーモン」という、若干の怪しさを感じる具だけど、全く問題ない。そして甘くないお茶ね。ロンドンで買ったバッタもんの甘いお茶と違って、POKKAだもんねえ。めちゃくちゃ美味いよ。
ホテルに向かう。
地下鉄のアナウンスはおそらく3カ国語で、英語、中国語、あと、マレー語なのかタミール語なのかわからないやつ。駅に着くたびに最後に必ず言うのが、なんとも耳に残る。
バット ハピハピ イグワン プラットホーム
みたいなヤツ。この「ハピハピ♪」がやたらに耳につく。
ホテルのチェックインは14時かららしいが、もしかしたらアーリーチェックインができるかなと思い、12時頃に行ってみた。フロントには、コメディアン兼俳優の「でんでん」みたいなオヤジがいる。
「アーリーチェックインできますかね?」
「ちょっと確認するから待ってね」
(何処ぞに電話)
「ごめんなさいね。まだだそうです。荷物預かりましょうか?」
「お願いします」
「それまで、何処か、セントーサ島でも行ってきなよ」
「うーん、まあとにかく、14時に戻ってきますよ」
するとでんでんはニヤリとして、
「いや、15時くらいの方が安全かな」
ぅおい!
シンガポールはきっちりしてるんじゃなかったのかよ。
アーリーどころか、遅れるってどういうことよ?
しかし、まるで予定の無い僕は、こうなれば別に何時でも良い。ただ早くシャワー浴びて横になりたいとは思うけど。
でんでんと別れ、ぶらぶらする。…いや、ぶらぶらは暑いので、ロンドンと同じ、「テキトーにバス旅」をする。
さすが、えげれすの子分だけあって、バス網のきめ細かさと、その案内の出し方は実に優秀である。ただしロンドンと違って、僕は、シンガポールの地理も、地名や駅名も、全く知らないので、完全に「行き当たりばったり」である。きたヤツに乗る。二階建ての二階前面が空いてるヤツに乗る。これだけである。
僕の乗ったバスは、どうやら、チャンギの方向に向かっているらしい。どんどん、郊外の雰囲気が出てくる。でも、まあ良いか。あてがあるわけでも無いし。終点まで行き、今度は別の系統に乗ると、やっと、中心っぽいところにやってきた。ここが何処なのか、さっぱりわからんけど、降りてみよう。何やらショッピングモール的なものがある。
シンガポールってスーパーマーケットがあんまり無いのね。。。そう思っていたら、地下にスーパーがあった。
行く時は、シンガポールの物価って高いのね、って思ったけど、えげれす帰りなので、安く感じる。ざっくり、値段の比較は、
果物(えげれすが高い)
ビール(えげれすが安い)
ワイン(えげれすが安い)
牛乳(えげれすが安い)
サラダ(えげれすが安い)
飲み物(えげれすが高い)
カップ麺(えげれすが高い)
こんなところかな。あと、日本製品がかなり揃っている。
さらにぶらぶらすると、フードコート的なところがあった。腹も減っているし、なんか食べるか。
行きのシンガポールでは、フードコートでさえ高いと思ったけど、えげれす体験後なので、全く高くないと感じる。しかも美味そうだ。パン→サンドイッチ→パスティの無限地獄から見れば、どれでもいけるでしょう。
僕は、海外に行くときには、沢木耕太郎の「深夜特急」を持っていくことが多いんだけど、今回はシンガポールなので、前半の3冊のみを持ってきた。タイだったか、シンガポールだったかで、彼が食べた、「薄く切った生の魚の上に煮えたぎった粥をかけたもの」の描写が印象深く、「絶妙の加熱加減」というくだりがめちゃくちゃ美味そうだなと思っていた。すると、フードコートのひとつの店のメニューに、粥ではなくて麺だけど、なんとなくそれを彷彿とさせるようなものがあるぞ。一杯¥550ほどである。
美味い。
泣きそう。
なんともこの絶妙な味わい。
感動しながら全部平らげた。スープがとても良い。薄味の中にしっかり旨味があって、とても奥深い。野菜の歯ごたえもちゃんとしている。…そう、texture ね。硬い(生)か、柔らかい(ぐにゃぐにゃ)の、両極のtexture しかない国からやってきたので、アタリマエのことに泣けてくる。
さて、ホテルに戻った。時間は15:30過ぎ。でんでんが長めに取った掃除時間を過ぎている。
「ただいま」
「おっと、待ってね、今確かめるから」
(慌てて何処ぞに電話)
「クリーニング中だって!」
「いやいやいや」
「五分待って!」
「わかったよ」
でんでん、エエ加減にせえよ。
例によって、ホテル予約サイトでけちょんけちょんに酷評されている当ホテル。曰く「掃除がなってない」だの、曰く「狭すぎる」だの、曰く「シャワーの水が漏れる」だの、前回と同じだ。
確かに掃除は「なってない」。ただしそれは、「行き届いていない」ということではなく、「でんでんの指示系統がなってない」ということである。窓のサンなどには確かに埃は溜まっているけど、このレベルのホテルにそこまで求めるのは酷というものよ。「狭すぎる」?ロンドンの部屋の方が狭かった(メシを並べるところがなく、立食していたw)。「水浸し」は、前のところよりはマシです。でんでんは、僕が出かけたり帰ってきたりする時も、ニヤリとして挨拶してくれるし、悪くないですよ。
一休みした後、晩飯を買いに行く。近くにまたまたショッピングモールがあり、またまたフードコート的なものと、スーパーマーケットがある。フードコートで持ち帰りかなと思ったが、スーパーを覗くと、
寿司!(しかも割引シール)
刺身!(しかも割引シール)
ローストダック!(しかも割引シール)
この三点セットが割引シールとくれば、即決、スーパーから持ち帰りにしよう。
スーパーで、
・高くない
・すぐ(温めなくても)喰える
・ツマミになる
このラインナップは、実は、えげれすよりも少なかった。えげれすにあって、シンガポールに無かったものは、
・オリーブやドライドトマトなどイタリア系ツマミ(昨夜のような)
・生ハム
・フムス(homas)やクラブパテなどのディップ類
・鯖の燻製(実はえげれすではこいつは超メジャーで、超良い仕事をする)
・鰊の酢漬け(同上)
・小エビのカクテル
・マッシュドポテト
などなど
…あれ?えげれすの勝ちか?
だけど、刺身と寿司(しかも美味そうな)とローストダックの三点盛りの段階で、今日はシンガポールの圧勝ですな。
部屋はまあまあ広いが、ブツを並べて喰える体勢の構築が難しかったので、ポジションバラバラに、ウタゲ開始です。
明日は丸一日、シンガポールを堪能します(ただし、セントーサとか、マリーナベイサンズとか、そういうところは行かない。なので、何処で何を堪能すべきなのか、全くわからない)。