えげれす通信、再び

20年ぶりに復活しました

【新】えげれす通信2023_vol13:シンガポールに思う編 (26/02/2023)

シンガポールで丸一日フリー。皆さんがキャーキャー言わはる場所には興味がないのでw、例によってバスで適当に周遊する。意図せず、結果としては、昨日は下町っぽいところ、今日は、キャーキャーエリアと、団地っぽいエリアなど、多様なところを見ることができた。はっきり地図で確かめたわけではないけど、なんとなく、島をざっくり一周しているっぽい。

 

Wifiについて。今回は、特別何も用意せず、基本的に「野良Wifi」をキャッチしてしのいできた。フィジーの場合は、野良どころか、ホテルにさえ、Wifiがないことも多く、通信には苦労した。えげれすの場合には、駅や、スーパー、カフェ、銀行など、野良Wifiを捕まえるのに、さほど苦労はしなかった。ただ、緊急の場合には、それらはすぐに捕まえられるとは限らないので、今回は一度だけ、ドコモの24時間¥980のプランを使った。シンガポールは、えげれすよりは捕まえにくいかなという印象。特にバスに乗るときは、土地鑑がないし、地理も知らないから、自分がどこにいてどこへ向かっているのかが全くわからなかった。Googleマップは必要だろうな。ただ、バスの案内がしっかりしているので、迷うことはないのは、さすが、えげれす親分ゆずりである。

 

シンガポールの民族別人口構成比率は、Wikiによれば、中国系74%、マレー系14%、インド系7.9%であり、複合民族国家である。異民族集団の統合については、フィジーをはじめとして、僕の研究分野の一つでもあるんだけど、シンガポールの事例は、少しだけ、講義で扱ったこともある。世界には数々の、複合民族国家があり、それぞれの背景と、それぞれの方針と、それぞれの政策と、そして、それぞれの実情とがあるわけだが、シンガポールは、「うまくいっている」方に分類されることが多い。

 

わずか数日の滞在では、何も深いところはわからないけど、ローカルバスに乗って、人々の日常の光景を眺めていると、言語に対する興味がわいてきた。そもそもホテルで見たテレビは、結構はっきりと、民族別のチャンネルになっている。中華系のメディアでは、中国語のみだし、インド系もしかり。マンダリン中国語、マレー語、タミル語公用語であり、それらを結びつける英語を含めて、四つが公用語として、平等に扱われているということだが、だからといって、皆が、英語のみを、日常的に使用しているわけではないと感じた。テレビチャンネルには英語のものもあるそうだが(なぜかうちのホテルでは映らず)、英語ではない、それぞれのエスニックチャンネルが独立して存在しているということは、やはり分かちがたい壁のようなものが存在している、ということなのかどうか。

 

バスでは様々な市民の姿を見た。友人、家族、さまざまな組み合わせの乗客がいた。しかし、エスニックグループの横断的な構成(つまり、異民族混合グループ)は、あまり、見なかった気がする。異民族間の婚姻も、あまり見なかった気がする。「国民統合」は、多民族国家の大きな課題だが、その根本は、「同グループでの集住の解消」と「異民族間婚姻の推進」にある。中南米のメスチソのようになれば、もはや「統合」はなされたも同然だろうが、なかなかそこまではいかない現状がある。フィジーにおけるインド系とフィジー系などは、完全に「分断」の状態である。その中で、「うまくいっている」方のシンガポールは、さて、どうなんだ?と興味があったが、数日の滞在では何も言えないにしても、思ったほどには、統合が進んでいるとは言えないなと感じた。

 

特に言語、ね。同民族グループ同士の人々は、いったい何語でしゃべるのか。仕事ではなく、私的な関係性の中で、私的な会話はいかになされるのか。僕はバスの中で、結構、耳をそばだてていた。

 

ここで、英語がチョイスされるならば、少なくても言語に関しては、自言語ではなく英語が、「主要」な位置を占めていると言える。自言語がチョイスされるならば、英語は「外出着」「仕事着」みたいな位置づけだと言える。ちなみにフィジーでは、英語のポジションが「主要」とはいいがたい。

 

これもまた、数日の滞在で、確かなことは言えないのだが、ざっくり見たところ、やはり自言語で話している人が多いかなと思った。特に、マレー系とインド系は、そうだった。一方で、中国系は、自言語で話している人が多い中で、一定程度、英語を使用している人たちも見受けられた。今日は日曜日で、プライベートなおでかけユニットが多かったが、その中には当然、家族で、子ども連れでのユニットもいた。そして親が、ガキンチョに対して、自言語ではなく、英語で、受け答えをしている割合は、中国系のユニットが多かった。子どもに英語を習慣づけさせようとする親の方針というのは、もしかしたら、そのまま、社会的なある種の階層性へとつながっていくのかもしれない。これはやはり面白い問題である。

 

さて、以下は、とりとめなく写真など。

 

ラッフルズホテル

古くてかっこよい建物だなあと車窓から見ていたら、「シンガポールスリング」発祥の、あのホテルだった。慌てて写真を撮る。

 

かっこよろしい建物①

 

かっこよろしい建物②

 

かっこよろしい建物③

 

かっこよろしい建物④

 

親分と似ている道路標識①

 

親分と似ている道路標識②

 

どんどんと開発が進む

 

パーク&ライドの施設かね?

 

例のやつ

マリーナベイサンズ。あべのハルカスみたいなもんでしょ。ハルカスに上りたい人たちのように、ここにも上りたい人たちが列を作っていたけど、軽やかにスルー。

 

そしてセントーサに向かう海岸沿いは、なんというか、大阪の南港のようである。

 

南港も、かつては、建設ラッシュだった時期があったね。

 

南港にも、こういうモール施設がにぎわってた時期があったね。

 

そうか。セントーサ島ってのは南港だったのか!(違) 

単なる島の癖に、入るのに入場料を取るらしい。ケーブルの乗車料金と加えて、往復、S$35(約¥3500)だとさ。アホくさ。こういう人工の客寄せパンダ施設には、ピクリとも、興味がわかないねえ。

 

ドンキって、「ドムドムドンキ」って言うんか。

 

バス乗り換えのターミナル。

 

たぶん、公営住宅

いわゆる「Council Flat(えげれすの公営住宅シンガポールでそう呼ぶかどうかはわからない。これがそうなのかどうかもわからない)」じゃないかと思うんだが。なんとなくの雰囲気と、類似の様式の集合住宅がやたらと見つかり、それぞれ棟番号が書いてあるから、おそらくそうじゃないかと。僕にはこちらの方がよっぽど面白い。シンガポールでは、エスニックグループの統合政策として、公営住宅にわざと異グループの人々を混ぜて住まわせるって聞いたことがあるんだけど、本当にそうなんだろうか。こういう団地にも、マーケットみたいなものや、コミュニティセンターみたいなものがあったので、本当はそのあたりをぶらぶらしてみたかった。それから面白いのは、この「物干し」ね。この写真の建物は低層だけど、もっと高層の建物でも、この、垂直に「グン!」と突き出しているかのような物干しがあって、見ているだけでスリリングだった、干すのも、取り込むのも、なかなか緊張するよねえ。落とす奴、絶対いるよねえ。落としたら、落ちる場所が広範囲すぎるよねえ(笑)。あと、「洗濯物を、人に見えるところには干さない」文化の欧州(えげれす)から来たので、ガンガン干している光景は、なんか、久しぶりで、おかしかった。

 

Motorway

道路標識が、ほぼ、えげれすのものと共通なので、僕にはわかりやすい。そして結構な広さのM道路(高速道路だけど無料)が何本もあった。遠くに都心の高層ビル群を望む。

垣間見える自然。

シンガポールは、良くも悪くも、「人工の街」という気がする。都心部は超近代的に整備され、街路樹が整然と並んでいる。人間が自然をコントロールし、ある意味、「制圧」を試みている土地なんだなあと感じる。しかし、ふと横を見てみると、ガチの自然が存在している。この木々は、決して「植林」したものではなく、自然そのもの。そういう時、ここが「熱帯」だったことを思い出す(暑さを除けば、普段は、それを感じることがない)。きっと、人間の手入れがなくなれば、瞬く間に、こういった熱帯雨林の木々が彼らの植生を取り戻し、ジャングルと化すんだろうねえ。

 

ローカルな商店

オサレな地区だけではなく、こういう、「ローカル色あふれる街並み」や「商店」もある。このツラガマエを見ると、フィジーにも似ているし、親分のえげれすにも、当然似ている。改めて、シンガポールもフィジーも、子分なんだと思う。

 

これらもおそらく、公営住宅

 

ダブルデッカーのバス。

 

漢字漫画

隣に座っていた、中国系のガキンチョが漫画を読んでいたので、こっそり撮る。吹き出しが全部漢字ってw・・・そりゃ、そうか。

 

たぶんフリーマーケット

ホテルの近所のショッピングモールでは、何かをやってた。たぶん、これは、フリーマーケット的なもの?しかし、さっき、久々にヤフーニュース読んだんだけど(ヤフーは欧州では使用不可)、「バスの、運転席のすぐ後ろの席が、運転手の安全のために使用不可になっているが、それは今後も続けるべきなのかどうか」というニュースがあった。・・・海外風を吹かせるわけではなくて、僕はもともとそういう考えだったんだけど(敢えて表明はしなかったが)、はっきり言いたい。「まだそんなこと言ってるのか!」。見なさいよ、この密を。いつまでマスクマスク言ってるの?個人の判断に任せなさいよ、まったく。同調圧力と、個人の埋没が甚だしい日本。その点だけは、まったく肯定できない。

 

フードコート的な

そして、またまた、フードコート的なところにやってきた。シンガポールってフードコート、好きね。ていうか、ショッピングモール、大好きね。日本にもあるから、その感覚はわかるけど、ショッピングモールがある「頻度」が半端ない。どこを歩いてもすぐあるし、必ずそこにはフードコート的なものがあるぞ。これは本当に、旅行者にはありがたい。暖かいものを持ち帰りできるからねえ。

 

韓国系の店

韓国系の店があったので、魚っぽいものを頼む。ちなみにひとつ上のところも、ここも、現金のみで、カードが不可だった。今回の旅行でカードが不可だったのは、この二か所のみ。つまり、えげれすも、シンガポールも、現金はほとんど必要なかった。

 

最後の晩餐。

最後の晩餐。ドラゴンフルーツ、オレンジ。サラダ。昨日に続き、割引シールの刺身。韓国の魚料理は、ごはんがついてきてしまった(おかずだけにしたかった)。何らかの韓国風魚料理だと思って期待したら、ただのサバの焼き魚だった。だが、それが良い。もう一つのフードコートでは、おなじみの「持ち帰り用容器」に、三種類くらいのよくわからない料理が混ざっている。「あれちょうだい。これも」ってやっていくと、日本なら、容器を分けるよね。しかし、親分えげれすも、その子分たち(シンガポールもフィジーも、たぶんケニアも)も、とにかく容器は一つで、そこにごちゃごちゃと強引に入れていく。重なろうが、混ざろうが。

 

よし、旅の最後にもう一度、言っておこう。

 

Never Mind(どれも食べ物だからね)

 

さて、明日は、いよいよ帰国します。何を喰おうかな。もうそればっかりw