えげれす通信、再び

20年ぶりに復活しました

【新】えげれす通信2024_vol.08:サンデーサービス編 (18/02/2024)

本日のダーラムは晴れ。気温は10度もある。あったかーい。

 

奥さんから、今日も泊まる?と聞かれる。もし構わないなら、ぜひとも、と答える。しかし、予約した至近のホテルは、キャンセルができないのだ。約15000円が無駄になるなあ。

 

朝食後、教会へ行く。ここは、昨年も訪れた、英国国教会の「St Oswald's Church」である。Wikiによれば、「The church is a grade II listed building and it dates from the 12th century」とのことである。

 

あっさりと平安時代の建築物

 

石柱とステンドグラス

 

パイプオルガン

 

地元のおっちゃんおばちゃんが、ぞろぞろと、わらわらと、集まってくる。彼らはここに「所属」しているのかな?キリスト教のことは、さっぱりわからない。師匠に聞くと、「ダーラムには教会が三つある」「大聖堂に行っても良いけど、こっちに来ても良い」のだそうだ。わかったような、わからないような、である。

 

本日の行事は、「コミュニティのチャリティ(ドネーション)で£2012.50集まったので、救急車を買った」件の「お披露目」なんだそうだ。師匠が、そのコミュニティのチェマンだそうである。その前に、通常の「Sunday Service」がある。

 

「Sunday Service」には、フィジーでは、何回か、参加したことがある。しかし、えげれすでは初めてだ。非クリスチャンでも参加して良いらしいし、写真を撮っても良いとのことなので、興味津々で臨む。

 

祭壇(?)は前にあり、パイプオルガンなどの楽器は後ろにある。choir担当の人たちも、後ろに固まって、練習している。司祭?牧師?呼び方はわからんが、聖職者のおっちゃんが祭壇のところに立ち、始まった。

 

式次第、的な①

 

式次第、的な②

 

式次第、的な③

 

式次第、的な④

 

式次第、的な⑤

 

式次第、的な⑥

 

 

式次第、的な⑦

 

 

式次第、的な⑧

 

式次第、的な⑨

 

 

式次第、的な⑩

 

「進行表」、はたまた、「式次第」みたいな冊子があり、項目で分けられているので、今、何をやっているのかは、なんとなくわかる。ただし、通常は出てこないような英単語ばかりなので、わかるようでわからない。

 

前の壁のところに、数字が掲示されている。数字は変えられる仕組みになっているようである。師匠に聞くと、「今日、唱和する、聖書の節の番号」なんだそうだ。

 

「Prayers of Penitence」。「penitience」は「懺悔」らしい。聖職者が、何やら言うと、集まった人々も、何やら言う。どうやらその台詞は、「進行表」に載っているものらしい。

 

「Kyrie eleison」。「求憐(きゆうれん)誦」。なんじゃそれ?

 

「The Collect」。「特祷」。皆目わからぬ。皆が唱和する「Amen」だけは合わせられるぞ。

 

「Liturgy of the Word」。「祈祷書」。旧約聖書からフレーズを読み上げるらしい。ここで、「The Peace」という項目がある。聖職者が、「平和(安らぎ?)」を皆に紹介する。彼が「安らぎが皆に訪れるように」と言った後、各自が「peace with you」と言いながら、周囲の人々と笑顔で握手をする。遠くの人とは目を合わせてサインを交換する。僕も交じって、背後のおばちゃん二人と「peace with you」と言い交わし、握手する。

 

「Sermon」。「説教」。この単語は知っていた。聖職者のおっちゃんが、何やら「小話」的なものを話し始めた。内容を搔い摘めば、「先日、車を運転していたら、ちょっとしたアクシデントがあったのよ。相手と言い合いになりそうだったけど、何とか落ち着くことができたんだな。クリスチャンは神の教えを実践しないといけないけど、常にクリスチャンが「クリスチャン」だとは限らないわな」みたいなものだった。これは、聖職者が、身近な出来事に擬えて、神の教えを伝える、ということなんだろうな。聖書の一説を朗読するクダリはさっぱりわからんが、こういう世間話ならわかる。時々ウィットを利かせているので、礼拝者の方にもクスリとした笑いが起きる。

 

「Preparation for the Table and Taking of the Bread and Wine」「The Eucharistic Prayer」。「聖餐用のパンとぶどう酒」だそうだ。「パンと葡萄酒」の件はなんとなく聞いたことがあるけど、文脈はよく知らない。「The Breaking of the Bread」「We break this bread to share in the body of Christ」だそうだ。

 

「Giving the Communion」「聖体授与」。  聖職者が祈りをささげた後、「聖体」としてのパンと葡萄酒が配られる。皆は聖職者のおっちゃんのもとに一列に並び、パンと葡萄酒が授与される。あとで師匠に聞いたら、この「パン」と「葡萄酒」は、ホンモノだそうだ。・・・そうなると、聖職者氏が、前もって、テスコとかセンズベリーとかのスーパーで、クレジットカードか何かで購入したんかな。「今日はこっちのワインが安売りだから、こっちにするか」とか考えながら、買い物をしたのかな。人類学でも、儀礼財が市場で購入される、ということが論点になったりするけど、ちょっと似ているな。皆が順に同じカップで飲むので、サブ聖職者のにいちゃんが、一回一回、カップを布巾で拭う。これ、コロナの時はどうしたのかな。エタノールとか次亜塩素酸とかで殺菌したのかな。

 

パンと葡萄酒

 

最後に「The Dismissal」「解散」があり、皆で「Thanks be to God」と唱和して、「Sunday Service」の部は終了。サブ聖職者のにいちゃんは、蠟燭の灯を消して回るのだが、なにやら妙な器具を使っているぞ。日本でも、線香の火を消す時に息を吹きかけることを避けようとするが、キリスト教でも同じなのかな。これも人類学的に面白いな。あの器具の名前は何というんかな?どこで売っているんかな?土産に欲しいな(不謹慎、なのか?!)。

 

興味深い器具

 

出口には「寄付」のコーナーがある。なんと、「VISAタッチ決済」が可能なシロモノだった!日本の神社の賽銭も、小銭問題が勃発していることだし、いずれ、paypayとかになるのかな。

 

ちと合理化しすぎではないか

 

次に、今日の「行事」である、救急車の贈呈セレモニーがある。まずは、外に停めてある救急車の実物を見に行く。後ろに、子供が描いた絵がデザインされていて、なかなか可愛らしい。

 

救急車

 

向かいの建物に移動して、簡単なお茶会がある。聖職者のおっちゃんも、むっちゃ普段着に着替えて座っている。当たり前と言えば当たり前だけど、僧衣?袈裟?を脱げば、聖職者といえども「ただのおっちゃん」なわけだし、一瞬で、周りに同化する。師匠によれば、彼は、正式な聖職者ではないそうだ。これまた、資格やら、階級やら、役職やら、聖職者の世界は複雑でわからないけど、謂わば「バイトの聖職者」ってことになるのかな。全員で集まり、そこで改めて、救急車の「御礼」と「お披露目」があり、皆で拍手をして散会。いやあ、なかなかに興味深い、貴重な経験を、させていただいた。

 

昼食後、師匠と奥さんと、犬のフローラと、車で10分ほどの「Broom Park」に行く。目的は言うまでもなく、「例のやつ」である。公園を散歩しながら、「例のやつ」をやる。またしてもエンドレス。園内は恐ろしく広く、歩道が延々と続いている。本日は日曜日、歩道には、歩く人、走る人、チャリに乗る人、犬の散歩をする人など、かなりの人がいる。今日はいなかったが、馬に乗る人もいるそうだ。えげれす人は、本当に、「散歩」が好きだよなあ。そして、すれ違う時には、互いに必ず会釈を交わすのだ。嗚呼、社交性!(二度目)。

 

延々と道が続く

 

フローラは、水浴びがことのほか好きらしく、「例のやつ」が歩道脇の水場に落ちると、それを咥えるよりも、水浴びに夢中になってしまう。園内の土は、濡れると「泥」になるヤツなので、水場はドロドロなのだが、フローラはお構いなしに、全開で水浴びに勤しむ。すると、「例のやつ」の泥は取れて綺麗になるが、フローラ自身は、凄まじい「泥犬」になる。

 

この先に水場がある

 

しかし、奥さんは、凄まじい「泥犬」を、あっさりと、車に載せる。うーむ、やはり、Never Mind精神だな。「細けぇコトは良いんだよ」的な話として、sermonに採用してくれないかな。

 

本日は予定変更、ホテル泊ではなく師匠邸泊になった。宿はキャンセルできないが、仕方ないな。明日は、師匠邸に家族の誰かが来るらしいので、僕は部屋を空けなければならない。明日はホテル泊なので、チェックインだけ、済ませる。

 

一泊¥15000は高すぎるよな

 

本日のディナーは、奥さんの豪勢な手料理だった。ヨークシャープディングが出てきたので、当然「買ったもの」だと思い、「これは、作るとしたら、どれほど難しいものなのか」と訊ねようとした。すると、まさかの手作りとな。えげれす人は料理をしないと言われているが、奥さんは違うらしい。グレイビーソースも、手作りっぽい。

 

豪華なディナー

 

このグレイビーボートはかっこよかった

 

フローラは寝そう

 

明日は、ニューカッスルとダーラムを散策し、買い物をする予定。