【新】にっぽん徒然:南大東島通信_vol.05 (18/03/2026)
本日は、完全に「何もせず」の日になってしまった。見る処は見たし、やることはやった。島民との繋がりができて「何か」に発展することもなかった。各種パンフには、「島民は温かく、訪問者を受け入れてくれます」と書いてあるが、これまでの感じ、まったくそれは感じられないぞw どちらかというと壁を作って、一歩引いているような感じだ。愛想も良いとは言えないしね。なので、宿から一歩も出ず、ダラダラする。
昨夜は、部屋飲みをした後で、夜の町に初めて繰り出してみた。一回も偵察に行かず、というのは、僕のポリシーに反する(笑)。あのスナックたちが、夜はどのような顔を見せているのか。確認せねばならぬ。
ところが、実際に歩いてみると、もはややっていないような店も多く、期待したほどの数はなかった。そのうちの一軒に突入してみる。名前は・・・全然覚えていないw

おばちゃんの一歩手前くらいのママが一人でいて、客はなし。中は、ごくごくフツーのスナックである。カウンターに並んでいるのは、やはり、「菊の露」だ。この酒、多良間でも圧倒的なシェアを誇っていたが、どうしてなんだろうね。販売ルートの問題なのか、嗜好の問題なのか。ただし、多良間で一般的だった「ピッチャー(前割した菊の露がピッチャーで出てくるが、メニュー名は「ピッチャー」、何のピッチャーなのかは明記されていない)」スタイルは、ここではないようだ。
ママに飲むものを聞かれたので、お任せで、というと、菊の露のVIPというヤツを水割りにしてくれた。これ、通常ランクの赤いヴァージョンよりも高いシロモノだな。でも、まあ、良いか。
しばらく、島のことを聞く。聞いてみたかった、八丈島系との対立や文化の混淆など、話題を振ってみたけど、あまり展開しない。ママは「そんなのはないよ」と言う。隠している風でもないし、本当にないのか?ただし、この島には、相撲があったり、凧揚げがあったりする。それらは、八丈島文化のはず。他にもないのかねえ。ママが知らないだけか。長いこと島を離れていて、ちょっと前に帰ってきたって言ってたもんな。
ママに、「現在営業中のスナックは何軒あるのか」を聞いたところ、4~5軒くらいだという。確かにそのくらいだな、灯りがついていたのは。二杯だけ飲んで、河岸を変えることにする。
次の店も、名前も場所も、全く覚えていないw ここには先客がいた。若手カップルと、おっちゃん。僕はおっちゃんの隣に座る。ママは、オネエチャンとオバチャンの間くらいの感じ。先客たちと、いくぶん打ち解けるも、やはり、あまり盛り上がれない。多良間の時は、ここから様々な展開があったんだけどなあ。どうもしっくりこないぞ。
というわけで、何処の店なのか全く記憶がないのだが、少なくとも、フィールドワークは完遂した。そんなに飲んでいる訳でもないし、まだ飲み足りない気もするけど、この辺で良いか。この程度なら、僕が大江氏になることはなさそうだ。しかし彼は、いったい何処で飲んで、そんなに重篤化できたんだ?(笑)
まあ、そういうことがあったので、今日は本当に何もすることがない。「まあ、もう良いか」という気もしている。
こんなに長く、五泊もしようと思ったのは、実は、北大東島にも行けるかな、という思惑があったからでもある。ちょっと前までは、南大東島~北大東島には、「日本一短い航空路線」というものがあった。
JAL(日本航空)グループにおける南西諸島方面の地域航空会社として、那覇空港を拠点に、おもに離島路線を運航するRAC(琉球エアーコミューター)が2024年7月末をもって「南大東~北大東線」を運休します。この路線は直線距離にして13km。「日本一短い航空路線」として知られる名物路線でした。なぜ運休に至ったのでしょうか。
沖縄県の南大東島と北大東島を結ぶRACの空路は1997年10月に開設されました。同路線の13kmという距離は、東京駅と羽田空港を直線で結んだのとほぼ同程度です。時刻表上の所要時間は20分ですが、もちろんこの時間は地上走行などを含めたもの。実際に飛んでいる時間は10分未満であることも珍しくなく、時期や天候によっては飛行時間が3分程度しかない場合もある、超ショートフライトです。
使用される飛行機も珍しいものが使用されています。50席を配するターボプロップ機、ボンバルディアDHC8-Q400CCです。機番末尾の「CC」は「カーゴコンビ(貨客混載型)」を意味しており、胴体後方約3分の1のエリアが貨物室というユニークなレイアウトが特徴。このモデルは、国内航空会社ではRACしか導入していません。
そして、同路線の2024年6月の利用率は88.1%。運休が発表されて以降、航空ファンらによる”乗り納め”需要があったと考えても、RACが運航する路線のなかでは最も高い利用率を記録しています。それなら、運休する必要はなかったのではないでしょうか。
RAC・JTA(日本トランスオーシャン航空)の広報担当者は次のように説明しています。
「この路線の搭乗率は『北大東~南大東』のみの数値ではなく、『那覇~北大東~南大東』と『那覇~南大東~北大東』の数値となります。『北大東~南大東』のみの需要は少ないのが現状です。その点とお客さまの利便性を考慮し今回の判断となりました」
この路線は、那覇空港を基点に「三角運航」と呼ばれる、国内の定期旅客便としては珍しい運用形態が採られてきました。これは、月・金・土・日曜は那覇→北大東→南大東→那覇を、火・水・木曜は那覇→南大東→北大東→那覇の順で同じ機体を飛ばすというものです。
高い利用率は、南大東島から北大東島経由で那覇、もしくは北大東島から南大東島経由で那覇、あるいはその逆といったように、単純な南・北大東島の移動ではなく、両島と那覇を移動するための需要が多くを占めていたためでした。このためRACは北大東~南大東の運休にともない、那覇~南大東、那覇~北大東の各路線を、1日0.5便ずつ増やす予定です。
なお、今回RAC便が運休となることで、南北の大東島間を行き来するアクセス方法としては、大東海運の貨客船を用いた海路がメインになります。(さらば「日本一短い航空路線」 最新の利用率”9割弱”も運休へ…なぜ? 理由も他路線じゃアリエナイ…?(1/3 ページ) | 乗りものニュース)
マニア的見地からも、ぜひ乗ってみたかったのだが、そうではなく、実際的見地からも、これがないのは痛い。今では、南大東島から北大東島に渡ろうとすると、いったん那覇まで戻らないといけないのだ。離島の航空運賃は高い。昨日のママも言っていたね。ただし「私たちは割引があるけどね」。僕はマトモに買うしかない。予算的にしんどい。
ならば、と、「大東海運の貨客船」に頼らざるを得ないのだが、これがまた、非常に難解である。不定期極まりないし、ルートもなんだかよくわからない。着岸する港がどこになるのか問題、天候不良の際にどうするのか問題、など、不確定要素がむちゃくちゃ多いのだ。とても、タイトなスケジュールで回らなければいけない旅人が、しかも、初見の旅人が、気安く利用できる手段には思えなかった。
来る前は、「南大東に着いてから、情報を集めよう」と思っていたけど、来てみて、あまりにその情報が少ないことにも気づいた。ほぼ、どこにも、「大東海運」の情報は見当たらない。唯一、各商店に、「入港日」のカレンダーが置いてあるくらい。これは、船で物資が届くからだろうね。入港日から日にちが経てば経つほど、島内の商店の在庫は厳しくなる。商品棚がスカスカになる。これは重大問題なんだろうけど、主題は「貨物」であって、「客」が焦点化されている様子はないのだ。まあ、上のRACの記事にもあるように、「南⇔北」の往来はほとんど無いんだろう。
南大東の宿を本拠地にして、そこからショートトリップで、北大東を往復する。この可能性を考えていたが故の、五泊という長期間のプランだったのだが、どうも現実的ではないことを肌で知った。故に、時間を持て余すことになってしまった。
最近、観光客受け入れを考えているっぽい南大東島なので、パンフには「モデルプラン」なるものが掲載されている。しかし、「モデルプラン」とて、最長が2泊3日である。確かに、「気象台見学」「地底湖ツアー」はやってないな。特に気象台は、そういうのがあるんなら、行ってみたい感じもあったな。ただそれでも、「モデルプラン」でも、最長は2泊なんだ。5泊?どうすれば良いの?w
ちなみに気象台だが、南大東島は、全国の天気予報でも必ずその名前が挙がることで有名だよね。ここには「ラジオゾンデ」という観測気球を上げる設備がある。南大東島には、格が上の「地方気象台」が設置されている。
ラジオゾンデは、上空の気象情報を収集するための気象観測機で、日本の気象庁ではゴム気球に取り付けて地上から高度30kmまでの大気の状態を観測しています。ラジオゾンデによる気象観測は、世界各地で毎日決まった時刻(日本標準時の9時と21時)に行われていて、日本国内で行われているのは16ヶ所。沖縄県内では、南大東島と石垣島で行われていて、観測時刻の30分ほど前に打ち上げが行われます。
観測を行っているのは「南大東島地方気象台」。南大東島は大東諸島の島々を除いては周囲約400kmにわたって陸地がなく、気象観測の重要拠点となっているため、観測所ではなく予報権限のある「地方気象台」が設置されています。(南大東島地方気象台/ラジオゾンデ | 沖縄観光情報WEBサイト おきなわ物語)
ワタクシ、「ダム好き」と共に、実は、「天気図好き」でもあります。理系的な趣味はほとんどない中で、この二つだけは、小中時代から好きなのであります。一時は、天気図を毎日つけておりました。そうなると、気象台の見学は、行きたかったねえ。これは今、知ったぞ。今日、もう少し勤勉に過ごしていたら、行けたかもしれないな。
南大東島地方気象台では1日2回気球による高層気象観測を行っています。朝(08:30)の飛揚を見学することができます。(職員説明なし、予約不要)(資料閲覧・施設見学のお問い合わせ)
さてさて、そういうことで、宿を一歩も出なかったのです。昼飯に、例の「漁協」に行って、最後の「スープ」を楽しもうかとも思ったんだけど、昨夜のウタゲの残り物がたくさんある。チャンプルーと、テビチと、ヒラヤーチーが結構残っている。これを喰うと、昼メシ代わりになるんだよなあ。もったいないしなあ。ということで、昼メシの外食も、今日は無しになった。
「菊の露」の一升瓶の残量と、「さんぴん茶」の残量、これらを総合すると、今夜、南大東島のラストナイトだが、やはり、「部屋飲み」一択になる。昨夜のスナックで、この町に対する期待感のようなものは、多少、プラスには増えた。しかし、各「居酒屋」の塩応対には辟易している。「外飲み」のインセンティブは極めて薄い。ラストナイト、とて、やる気は起こらない。やはり、「持ち帰り」にして、「部屋飲み」にしますか。
昨日の店は、「バイトなのかと思しき愛想の良いおっちゃん」と、「料理担当で、多分主人であろうかと思われる、アタリの柔らかくないおばちゃん」で構成されている。僕は電話をすることにした。17時開店なので、17:01に電話をする。
・・・出ない。
なんでだろ?開店直後で忙しいのかな?17:05にもう一度、電話をする。
・・・やはり、出ない。
どうしたんだ?電話番号が間違っているのか?今日は臨時休業なのか?
幸いにして、この店は、我が宿から30秒のところにある。僕はツッカケを履いて、リアル店舗の偵察に行った。
・・・開いとるやないかい
「営業中」の札がかかっている。この札をかけるのは、「バイトなのかと思しき愛想の良いおっちゃん」の仕事だと、昨日確認して、わかっている。なんだ、やっているじゃないか。では、リアル店舗にリアル凸して、注文をしてしまいますか。
「持ち帰りの注文、よろしいでしょうか?」
「はい、どうぞ」
そう言いつつ、「バイトなのかと思しき愛想の良いおっちゃん」は、皿を配備する作業をやめようとしない。
「皿を配備する作業」は、開店直後で大事だもんな。一介の客の注文よりも、開店の方が大事だよな。もう少し待つか。
「バイトなのかと思しき愛想の良いおっちゃん」は、次に、箸を配備する作業に移った。
「箸を配備する作業」も、「皿」と同じく、開店準備としては、中核的作業だよな。一介の、一見の、客の注文よりも大事だよな。終わるまで待つか。
「バイトなのかと思しき愛想の良いおっちゃん」は、メニューと紙ナプキンを配備する作業に移った。
だよなあ。それは、・・・、おい!ええ加減にせえ。アンタ、さっき、「どうぞ」言うたやんか。なんなん、その、悠然とした「自分の仕事をこなします」感は。どういうことやねん。
すると、「バイトなのかと思しき愛想の良いおっちゃん」は、やおら、こちらに向き、「何か、お決まりでしたら、どうぞ」と言う。
いやいやいやいや。こちらは、今から、色々と注文する予定なのだよ。アナタ、伝票と筆記用具を手にしてないじゃない?覚えられるんかい?大丈夫なの?ていうか、「自分の仕事」こなし中でも、「それでも注文はいつでも聞きますぜ」という態度だったの?あれは?
色々と、疑問と疑惑と、釈然としなささを感じつつ、注文をする。ただしその前に、今回、まだ食べられていない、この島の名物の確認をする。
ナワキリ、はありますか?
ナワキリ。漁業が、盛んなんだか、どうなんだか、実際のところよくわからないこの島に於いて、とにかく流通しているのは、マグロとサワラ、そして、この、ナワキリなのだ。5泊もして、様々な場所で刺身を食した経験上、結局、出てくるのは、マグロとサワラなんだな。で、出てこないのは、謎の「ナワキリ」なのだ。
「ナワキリ」とは、正式名称「クロシビカマス」という、南大東島近海で獲れる深海魚。アゴが丈夫で、縄を切ってしまうほど歯が鋭いため、ナワキリと呼ばれています。しっかりと乗った脂が特徴のナワキリは、刺身はもちろんバター焼きや煮付け、汁など、南大東島では昔からあらゆる調理法で親しまれてきました。
見た目は白身であっさりしていそうな印象ですが、しっかりと脂が乗り、魚の旨みもぎゅっと凝縮された濃厚な味わい。地元ではナワキリの刺身は薄切りにし、ふぐのように数枚を箸でつかんで食べるのが主流なのだそうで、薄くて柔らかい身は、いくらでも食べられてしまいます。島の人は酢味噌で食べることが多いそうですが、脂がしっかりと乗っているため、あっさりが好きな方は醤油にシークヮーサーを絞って食べるのがおすすめ。言わずともがな、ビールによく合います。(https://www.tabirai.net/sightseeing/column/0010089.aspx)
こいつだけは、まだ、喰ってなかった。なので、ラストナイトだし、聞いてみた訳だ。そうしたら、「料理担当で、多分主人であろうかと思われる、アタリの柔らかくないおばちゃん」が、厨房から一言、
「あるよ」
あるのか。それは良かった。でも、一番欲しいのは、ナワキリの「刺身」である。それはあるのかなあ?
一番近しいところにいる「バイトなのかと思しき愛想の良いおっちゃん」に「刺身はありますか?」と聞く。やはり、このおっちゃんが窓口の方が、心が痛まずに済むのだ。しかし、同時に、このおっちゃんは「バイトランク」とい弱点をもっている。本日あるのかないのか、それは、それに回答する権限を、実質的にもっているのは、「料理担当で、多分主人であろうかと思われる、アタリの柔らかくないおばちゃん」なのだ。
果たして、越境的に、
「ない」
おいおい、もう少し、アタリの柔らかい言い方って、ないもんでしょうか?それじゃ、まるで、「単語のみ」の会話ですよ。そして、愛想のヒトカケラも感じられないんだよな。やっぱり、ここに居続けるのはしんどい。
僕は、「バイトなのかと思しき愛想の良いおっちゃん」に、
・ナワキリのバター焼き(これのみ、あるとのこと)
・刺し盛り(梅)
・刺身キムチ
・おでん(大根、豆腐、昆布)
・モズク酢
をオーダーした。そして、「30分後くらいに取りに来ますね」と言った。
すると、「バイトなのかと思しき愛想の良いおっちゃん」が、「料理担当で、多分主人であろうかと思われる、アタリの柔らかくないおばちゃん」に尋ねるではないか。「30分でできますかね?」
すると、「料理担当で、多分主人であろうかと思われる、アタリの柔らかくないおばちゃん」は、一言曰く、
「電話番号」
「でんわばんごう」。彼女はそう言った。「電話番号を聞いておいてね」でもなく、「電話番号を確認しておいてね」でもなく、「でんわばんごう」、そのひらがな羅列のみ、である。それを聞くや、「バイトなのかと思しき愛想の良いおっちゃん」は、「電話番号をお願いできますか?出来たら電話いたしますので」という。
もうね。この応対。結構、ほとほと、心底、嫌気がさしておりますよ。おっちゃんに救われるところアリ、というところでもあるけど。
で、30分後、電話が来ました。さっきかけて、全く出なかった、同じ番号から、ね(笑)。
というわけで、今宵の品揃えはこんな感じ。
注目すべきは、「刺身キムチ」だよね。これは、いったい、何なんだ?
キムチを刺身感覚で?水ナスの刺身、みたいなヤツ?それとも、本物の刺身をキムチ和えにする?でもさ、メニューではさ、「刺身」の列にあるのではなく、「枝豆」とか「冷奴」とかの「特急列」にあるんだよ。これの本体は、「キムチ」なのか、それとも、「刺身」なのか。恐らく前者だよな。
しかーし。目の前に展開したものは、そう、この前、「漁港」で喰った、あの、「海鮮キムチ丼」だよな!あれは、旨かった。そして、今回の奴も、旨い!旨いよ?旨いけどさ?
なんなの、この感じ。南大東島では、「刺身をキムチで和える」という工程が、一般的になっているということ?一つの店でしかないんなら、それは、その店の「オリジナル」ですよ。しかし、妙に「共有されている」のか?そうなると、もはやこれは「文化」なのではないか?しかし、なぜ、「キムチ」なの?韓国系のテイストは、この島で、未だ感じたことはないぞ。そういうのもあるわけ?

さて。なんやかんやで、ぼちぼち楽しみました南大東島、明日、離れます。